萩尾工業株式会社 代表取締役 萩尾孝一萩尾機械工業(株)萩尾孝一代表取締役社長に、人材育成についてお聞きしました 。
萩尾社長は新居浜ものづくり人材育成協会の代表理事でもあり、第一回目をお願いいたしました。

~事業概要をお聞かせ下さい~

当社は製缶溶接から機械加工・組立までの部品を中心としたものづくりの 会社です。
今は、病院や製鉄所に納入する部品・変電所に納入する電気設備の部品(遮 断機のケース)・船舶に搭載するバラスト水滅菌装置部品が、製品の3本柱 となっています。

~業況はどうですか~

我々国内のものづくり企業が生き残るには、①一点ものをつくる、②納期が短いものに対応することが 必要だと思います。
そのためには、高度な技術や品質管理が必要となってきます。 こういった点でまだまだ、国内のものづくり企業は負けていません。
国内に需要はあるのだから、 価格では海外勢に負けているかもしれませんが、技術で勝負しなければなりません。

~社員の採用状況を聞かせて下さい~

ここ数年は毎年1名の工業高校生を採用しています。

~高校生・大学生が就活で考えていることは何でしょうか~

高校生・大学生ともに大企業に憧れます。
地元にものづくりで素晴らしい企業があることを知らないからだと思います。
先生や親が学生を導いてあげないといけません。そういった意味では、先生や親に我々のようなものづ くり企業の素晴らしさを説明しないといけません。

~職人が一人前になるのは何年かかりますか~

当社のような手作りや一点もの製造の工場だと、一人前になるのに10年はかかります。
でも、一人前の職人でも100分の1ミリオーダーのものづくりレベルの99%までしかできません。
残り1%は本当に匠といわれるようなベテラン職人が手を入れないと出来ません。
100%の製品ができるまでの域にたどり着くのは、一人前になってから更に何年もかかりますね。

~職人を育てるには、師匠と弟子という関係、いわゆるOJTで教えるのがいいのでしょうか~

昔ながらの師匠と弟子という関係が理想です。20年くらい前まではそういう教え方をしていました。
しかし、ほとんどの工場ではコストを下げるために従業員を減らしています。
若い人を教えるのは会社全体に余裕がないと出来ないのです。
こういった状況を打破するため、人材を育成するために「新居浜市ものづくり産業振興センター(*)」
という施設を行政に作ってもらい、工場で先輩から教えてもらっていた技術をセンターの専門家が教え る仕組みを取り入れています。
(*)同センターは「新居浜ものづくり人材育成協会」が運営し、東予地域のものづくり技能の伝承や 技術の高度化を目指した研修等を実施しています。